こんにちは!
そうたです!
本日はカノンコードについてお話します。
J-Popの中で頻繁に使われているカノンコード
知らず知らずのうちに皆さんもよく耳にしています。
そもそもなぜこれほど、このコード進行がよく使われているのでしょうか?
今回、筆者なりにこのカノンコードについて分析をしてみました。
僕が過去に弾き語りをして得た経験を基に、お話しをしていきたいと思います。
カノンコードとは
カノンコードというのは、クラシックの作曲家ヨハン・パッヘルベルが作曲したカノンという曲のコード進行のことです。
日本でも良く使われるコード進行のため、
どこか親しみやなつかしさを感じられます。
このコード進行で曲を作ったヨハンは世界初の一発屋
とも言われています。
ヨハンが作った曲の中で、この曲だけが有名になりすぎて、
他の曲にスポットライトが当たらなくなってしまった。
そんな状況が起きてしまったのです。
ここで、カノンコードを使って曲を作ると、
一発屋で終わりやすい
というジンクスが出来上がってしまいます。
実際、このコード進行を使って曲を作ってしまったがゆえに、
他の曲があまり知られていないというアーティストはいっぱいいます。
有名なところで言えば「岡本真夜」なんかそうじゃないでしょうか。
岡本真夜と言えば「Tomorrow」という名曲がありますね。
この曲はカノンコードです。
岡本真夜さんは他にもいろんな曲を出されていますが、
「Tomorrow」の曲に印象が残りすぎて、
他の曲はいまいち知らないという人もいるんじゃないでしょうか。
アーティストが一度は使いたくなるコード進行
ただ、手にしたら一発屋で終わってしまうかもしれない。
世間ではこれを「禁断の果実コード」とか呼んだりするようになりました。
カノンコードが売れる理由
では、このコード進行の一体どこに、
親しみやなつかしさを感じる仕掛けがあるのでしょうか?
筆者なりに考えてみました。
ここでカノンのコード進行を改めてみてみましょう。
C ⇒ G ⇒ Am ⇒ Em ⇒ F ⇒ Em ⇒ Dm ⇒ G
こんな感じです。
ここで、このコードのベース音を数字であてはめてみます。
音階はドレミ以外にも英語や数字で扱うことがあります。
以下のような対応をしています。
1 2 3 4 5 6 7 1(高)
ド レ ミ ファ ソ ラ シ ド
C D E F G A B C(高)
1(高)やC(高)というのは、ややこしいですが、高い方のドということです。
よって、ドレミファソラシドの中では一番高いということになります。
これによって、カノンコードを英語のコードをヒントに数字に置き換えるとこのようになります。
1(高)⇒5 ⇒ 6 ⇒ 3 ⇒ 4 ⇒ 3 ⇒ 2 ⇒ 5
これをみると、前半の1(高)⇒5 ⇒ 6 ⇒ 3と、 後半の4 ⇒ 3 ⇒ 2 の部分で、
数字が小さくなっていることがわかります。
(前半の5⇒6は上がってますが、3の方へ全体的に下がっています。)
また、コード進行に〇mという風に、マイナーコードが混ざっています。
数字が下がったり、マイナーコード加わると、基本的にネガティブな響きに聴こえます。
つまりネガティブな響きは、内側⇒外側よりむしろ外側⇒内側
への動きとなります。
過去から未来へではなく、
未来から過去へ、
といった動きです。
つまり、人が自分の内面や過去と向き合う
という意味でもあります。
これはつまり、ネガティブなコード進行を聴くことで自然と、
自分の内面や、過去の体験と重ねてしまう
そういった仕掛けがあるのではないかと筆者は思っています。
なお、先ほど、コード進行を英語や数字でサラっと書き記しました。
コードについてご存知ない方は以下をご参考になさってください。
筆者が出会ったカノンコード
僕がこのコード進行に出会ったのは「スピッツ」の「チェリー」です。
弾き語りを始めて最初の練習曲に選んだ歌です。
この曲ではカノンコードをAメロで使用しています。
ここで、「チェリー」を通して、カノンコードがどのように活かされているか
自分なりに分析してみました。
まず、最初の歌詞で、
「君を忘れない 曲がりくねった道を行く」
とあります。
この部分は、カノンコードの前半の 1(高)⇒5 ⇒ 6 ⇒ 3に相当します。
「君を忘れない」や「曲がりくねった道」というのは、
ボーカルの草野さんが出会った人たちの事、
つまり過去ですね。
次に「曲がりくねった道」=「草野さんの人生」と解釈すれば、
どちらかというとこれからのこと、
つまり未来のことのように思えます。
ただ、今までの「過去」を思い出しながら、「曲がりくねった道」のような未来がずっと続いている。
という風にも聴こえませんか?
このように、カノンコードを使用することによって、
いろんな過去を懐かしんだり、自分なりにかみしめている。
そんな景色が浮かんできます。
こういうことって、草野さんに限らず誰にでもあることですよね。
だからこそ、この曲はヒットしたし、たくさんの人の共感を得たのでしょう。
(もちろん、草野さんの透き通る声のすばらしさは言うまでもありませんが。)
Aメロのコード進行や歌詞からこういった仕掛けがあったのですね。
他にも出会ったカノンコード
最初に弾き語りを始めて出会ったカノンコードの曲、「チェリー」でしたが、
その後、色んな曲を練習していくと、
他にもいろんなアーティストや曲が、このカノンコードにあやかっていることがわかりました。
藤井フミヤの「True love」なんかそうですね。
この曲も、Aメロがカノンコードになっています。
また、最初の歌詞の
「振り返るといつも君が笑ってくれた」
という部分が過去を思い出しながら歌っていることから、
カノンコードのネガティブさと非常にマッチしていて、
このコード進行の良さを最大限に引き出そうとしていることがわかります。
X-Japanもよくカノンコードを使用してます。
「Endless rain」、「Tears」、「Say anything」
みんな名曲ですね。
サビにカノンコードを使用しています。
また、「GRAY」もよくカノンコードを使用しています。
「Be loved」、「Rain」、「Soul love」、「Be with you」など、
XやGRAYまで来ると、歌唱力がすごいためか、
何回も禁断の果実コードを使用していても一発屋で終わっていないのがすごいですよね(笑)。
僕の好きなMr.Childrenなんかもよくカノンコードを使用しています。
一番有名なのが「終わりなき旅」ですかね。
サビで「閉ざされたドアの向こうに新しい何かが待っていて」
とありますが、
この「閉ざされたドア」というネガティブな部分がカノンコードとよくマッチしています。
ちなみに厳密に言うと、「終わりなき旅」はカノンコードそのものではありません。
通常のカノンコードは、
C ⇒ G ⇒ Am ⇒ Em ⇒ F ⇒ Em ⇒ Dm ⇒ Gですが、
「終わりなき旅」は、
C ⇒ G ⇒ Am ⇒ E ⇒ F ⇒ Em ⇒ Dm ⇒ G で、
Emがメジャーになっています。
コード進行がマイナーからメジャーに変わると、
響きもポジティブに変わるので、
内側⇒外側の気持ちが作用するような仕掛けになっています。
「終わりなき旅」が前向きな曲に聴こえるのは歌詞だけではなく、
こういったコード進行の仕掛けにもあるということですね。
最後に
一発屋で終わってしまう禁断の果実コード
「カノンコード」。
その味はとてもおいしく、
さらに手軽に手に入るというものです。
その実をひとたびかじると、自分の内側や過去を思い出させ
懐かしかったりせつない気持ちにさせる
そんな魔法を手に入れることが出来る
だからたくさんのアーティストが手にしたがるのでしょう。
なお、ご自身で何か曲を作る際には、
勉強のためにこのコードを使ってみるというのはとても有効かと思います。
重要なのは、このコード進行にどんな歌詞をあてはめたいか、
聴く人にどんなことを訴えたいのか、外側⇒内側なのか、それとも逆か、
そういったことを意識しながらつくってみましょう。
また、カノンコード以外にも、良く使われるパターンの曲がありますので、
今後もちょっとずつ紹介していきたいと思います。
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